2018年10月25日

早朝のお寺巡りpart2

青蓮院を後に坂を下り大通りに出ました。
あらっ、懐かしい場所ねと主人と話しながら、大通りの坂を蹴上に向かって上ります。
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33年前?私たちが結婚式を挙げた場所でした。3月も終わるその日にこの坂に雪が舞っていたことを思い出します。ホテルのロビーの窓から家族や親せきの人々が帰っていくのを見送った23歳の私でした。
う〜ん。あれから30年。色々あったな〜ですね。
今の自分をあの当時知る由もなく。いつの間にか孫がいます。

お腹が空きました。
南禅寺で湯豆腐食べようか。
秋空の下、疎水を見ながら南禅寺まで下りてきました。
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美味しかった!
さあここまで来たら行かなきゃね。
南禅寺で修行をしているさくらの第一期生賢君に会いに!!
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お庭掃除してるかなあ?
海外からの旅行者の案内もすると言っていたからその辺にいるかなあ?と境内をきょろきょろしながら。
見当たらず本堂横の庫裏まで来ました。
中に入らせていただき、受付の方に賢君に会いに来たことを告げると『探してきますね』とにこやかに対応下さいました。
そして、そして、やってきました!!
じゃーん!!『さとくん 久しぶりね〜』
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全く変わらぬ誠実さと素直さとまじめさに、凛々しさが加わっていました。
4年間南禅寺でお手伝いをさせて頂きながら、大学へ通い見事に大学を卒業しました。
素晴らしい努力です。お寺の早朝のおつとめから始まり、学業との両立を果たしたことは誰にもできることではありません。
厳しい修行に耐えられるのだろうかと心配していましたが、この表情はさくらにいた時と変わりません。それはどれほどに南禅寺の方々に愛していただいていたのかを物語っています。
大学卒業の頃漢文の単位が取れず苦労したようです。そんな時南禅寺の総長様がずっと家庭教師をして下さったようです。それでも総長様は試験に合格できるか心配下さり、総長様が漢文を習われた奈良にお住いの80歳を越えられる恩師を南禅寺に迎え、賢君は教えを賜ったようです。
この話は別の方から聞いた話です。一切私たちにはおっしゃらずここまでのことをして下さっていました。
管長様総長様が『一度お預かりした子は何としても最後まで見るんだ』と言われていたと他の僧侶から聞きました。この4年間私たちは1度も不安に思うことなく過ごさせていただきました。それは私たちに代わってすべてを皆様が背負って下さったわけです。
私はどう感謝を表したらよいのでしょう。
管長様や総長様のようにはできないけれど、私もお預かりしたさくらのお子さんたちにそうあることが、私にできる恩返しだと思いました。修行の足りない私にはここまでの事はできませんが大切なことを賢君だけでなく私も教えて頂きました。

私は結婚した当初は主人の後ろを歩いていたと思いますが、いつの間にか並び、いつの間にか越していたり・・・今回京都を散策しているときも自分が主人の前を歩いている時が多いことに気づき心の中で笑えてきました。
南禅寺を後に坂を下りているとき、私の背後に主人の足音が少し遠くなって振り返ると主人が声を押し殺して泣いていました。
『兄さんが賢君のこの姿を見れなかったのは無念やろうなあと思ったら』と男泣きしてくれていました。
兄の代わりに賢君を引き取って一緒に育てることを受け入れてくれた主人がいたからこそ賢君の今があると改めてお礼を伝え、並んで歩きました。
posted by midori at 06:45| 日記

2018年10月22日

早朝のお寺巡り

日曜日であろうと5時頃には目の覚める年齢になってしまいました。主人は4時頃からごそごそし始めます。
布団の中にいる限界を迎えた2人は『よし!出かけよう!』と7時前には車に乗り込み京都へ向けて出発!
8時には西本願寺の駐車場に到着していました。

金曜日の講演会を無事果たせたことの御礼と報告をご先祖様にしました。
松本家のお墓は東京にあります。東京までなかなかお参りに行くことができないので、いつも私たちは京都の西本願寺で手を合わせます。

お参りも済ませ、さてどうする?
講演会の緊張で神経がまだ冷めやらぬ私はこんな時会いたくなるあの樹に会いに行くことにしました。
青蓮院の門前にどっしりと構える楠木です。
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お久しぶりです。と樹に挨拶をしました。不動の姿にいつも癒されます。
今回はこのお寺にまつわる不思議なつながりにも感動しました。ご先祖様にお参りした西本願寺に祭られている親鸞聖人が8歳で得度を迎えたお寺がこの青蓮院だそうです。8歳の親鸞聖人がこの地で過ごしておられたお姿を思うと何とも言えぬ気持になりました。
そして私がこのお寺の門前の樹に不動の力を感じていたわけがわかりました。このお寺に最古の不動明が祭られていました。だからいつも私はこの樹から安心感と力強さを感じていたのだと合点がいきました。

そして早朝のお寺参りはまたまた思いがけないことに遭遇できました。
仏前結婚式の準備がなされた本堂から私の大好きなチェロの音色が響いてきます。生演奏のリハーサル中でした。本堂に響き渡るチェロの音色を聴きながらの拝観とはなんと贅沢な事でしょう。
金曜日の講演は300人の聴衆を前に立つというプレッシャーがありましたから、ご褒美を頂いたような。
何とも大きな力に支えられ見守られていることを実感し、仏さまにさくらの子どもたちの幸せ、すべての子どもたちが幸せでありますようにと願ってきました。
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青蓮院という名前の通り蓮の襖絵も素敵でした。
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(つづく)
posted by midori at 06:55| 日記

2018年08月07日

天国からのサプライズ

 今日という日はさくらの未来において歴史を振り返る時、3度目の記念すべき1日となることでしょう。
1度目は15年前のあの日
佐々木正美先生と一緒にノースカロライナ大学TEACCHセンターを訪れ,TEACCHという素晴らしい理念をご紹介いただいた日。あの感動が私を突き動かしその後の15年一度もぶれることのない情熱をさくらこどもセンターに注いできました。

2度目はエリクソン校の開校記念日。
佐々木正美先生がさくらこどもセンターをご視察下さり、TEACCHの理念に立つ素晴らしい学校であるとお言葉を下さったあの日。

そして今日が私にとってさくらにとって3度目の記念すべき日となったことを皆様にお伝えしたいと思います。

 私の今回の渡米の最大の目的はノースカロライナTEACCHセンターに直接感謝を伝えることでした。
亡きショプラー教授がTEACCHの理念を生み出して下さったこと、そしてショップラ―教授と友であった佐々木正美先生の多大なるお力によって、遠い日本の地にいるさくらの子ども達、数えきれない日本の親子が救われたことへの感謝をどうしても伝えたいと思いました。

余りにもお二人から頂いたものが大き過ぎて「Thank you」の一言では感謝を言い表すことができません。
どうしたら私のこのあふれる思いを伝えることができるだろうかと考えました。
そこで教えを実践してきたさくらの今の姿とさくらの子ども達の幸せな笑顔をお見せすることこそが、どんな説明より最も感謝を伝えられることではないかと思い、さくらこどもセンターの冊子を英語版に翻訳し、日本語版と英語版の両方をスーツケースに詰めて旅立ちました。

15年ぶりのTEACCHセンターは私が訪れたあの日と全く変わらぬ指導と、愛に包まれた子どもたちの笑顔と、プロフェッショナルと優しさを併せ持つスタッフの姿がそのまま息づいていました。

良いと言われるものの真髄に流れる真理はいつになっても変わらないということです。
変える必要がないということです。
何十年経ってもなお変わらない理念がいかに研究され精査を繰り返された上に立証されたものであるのかを改めて知らされました。

ショップラ―教授の教えと意志は、現在のセンター長であるジョイス・ラム博士に引き継がれていました。
ジョイス・ラム博士は女性です。
何と15年前のあの日、直接私たちに講義とTEACCHの診断検査(PEP)の指導を授けて下さった博士でした。

果たして博士は快くさくらの冊子を受け取って下さるだろうか、上手く感謝を伝えることができるだろうかとドキドキしながら、ずっと心の中で佐々木先生に「お力をお貸しください!」とお願いしながら遂に博士の前に立ちました。
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さくらの冊子をお見せするや否や「ワオーワオー」の称賛の声です。子どもたちの写真や教材の写真を指差しされながら「ありがとう!ありがとう!」と言って下さいました。近くにいた先生方も集まり称賛の歓声に私は包まれました。
ああ渡せた!喜んで下さっている!
日本で実践してきたことをこんなにも喜んで下さっている!
ああよかった!伝えられてよかった!!
旅の目的が叶いました。
心の中で佐々木先生ありがとうございました!!と大声で叫んでいました。
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ジョイス・ラム博士と他の先生方は冊子に写る佐々木正美先生のお顔を見つけられると感慨無量の表情と哀悼の表情をお見せになっていました。
私はこの瞬間そばに佐々木先生が見守っていて下さったと感じました。
なぜなら私は更にサプライズのプレゼントを受け取ることにもなったからです。

TEACCHセンターを率いるジョイス・ラム博士と友情を結ぶことができたのです。
発達障がいを持つ子どもたちが幸せになることを我が人生の喜びとして生きる者同士であることを確認し合い、手を取り合えたのです。
家族の一員であると言って下さいました。これはとてつもなくすごいことなのです。
ジョイス・ラム博士と私が友情を結べたこの軌跡は、佐々木先生が下さった天国からのサプライズプレゼントです。

その夜のレセプションの席で、私たちは互いが関わる子どもたちの成長を伝え合うことを約束しました。
そしてTEACCHセンターが世界の子どもたちの幸せにさらなる貢献をされるよう、さくらもその一助を担うことを約束しました。
私の恩返しでもあります。

これから先の15年、また素晴らしい目標ができました。
いよいよさくらが世界とつながります。
これも私の描いてきた夢の形です。
楽しみがスタートします。
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posted by midori at 14:45| 日記